授業が分からなくても最短で苦手科目を克服する3つの方法
はじめに
知識や技能を習得するとき教科書やマニュアルは大変便利です。
だから学校で勉強するときには教科書を使います。そして医師国家試験や司法試験や英検などの資格も教科書やテキストがあります。
これらの教科書やテキスト(以後まとめて教科書と呼びます)は大抵基本的なレベルから応用・発展と段階を追って難しくなっていきます。
例えば小学生の教科書。1年生の教科書が6年生の教科書より難しいということはありえませんね。だから1年生の時は従業も易しいのでちゃんと聞いていればまったくわからないということはないと思います。
しかしだんだん学年も進んでいくうちに苦手な教科や単元というものが出来てきます。だからよほどの秀才でない限りすべての教科や単元をマスターしている人はいません。大抵の人は得意科目や苦手科目があり、得意科目の中にも苦手な単元というものがあります。
そこで今回は苦手科目を克服するための本質的な3つの方法について解説していきたいと思います。
その1、つまづいたところまで戻って復習する
すでに学習した範囲でも良く理解できていなかったり、試験の点数が悪い単元は誰にでもあると思います。その最初につまづいたところまで戻って復習し、完全にマスターしてから次の単元に進むというやり方です。
例えば小学生の算数で分数がよく分からないかりとします。分数は3年生から習い始めます。だから自分がもっと高学年であっても3年生に戻って復習するという具合です。
以前なにかののテレビ番組で見たのですが「東大生クイズ王」で有名な伊沢拓司さんが
開成高生のとき、東大模試の数学で0点を取ってしまい、一念発起して分からなくなったところまで戻って復習し、東大に合格した話ををしていました。
この方法の長所は一度学習した範囲なのでできる単元はすらすらと進み、苦手なところだけ集中して学び直せるところです。
欠点は、これは勉強のできない子や小学生に多いのですが、一度学んだ範囲を復習することに心理的に抵抗感があり、面倒くさがってやりたがらないという点です。
一度苦手意識を持ってしまうと焦ってしまい、いたずらに難しいことをやろうとする子供が非常に多い。基本的なところを理解できなければその先の応用は解けないということが理解できないのです。
焦らずに腰を据えて分からなくなったところから復習するというのは非常に有効な方法です。
その2、試験の過去問を解いて、頻出範囲を集中して学習する。
高校や大学の入学試験、各種の資格試験の出題範囲は一応教科書全部ということになっていますが、実際はよく出題される単元とあまり出ない単元があります。
実際に出題される範囲(頻出事項)を調べるには過去に実施された試験問題を入手するのが一番です。
過去の試験問題(過去問)はたいてい過去問題集としてまとめて売られていますが、過去問の効果的な使い方はあまり知られていないようです。
私のこれまでの指導経験でいうと一通り出題範囲を学習した後に、腕試しとして本番の試験直前に過去問を解くというものです。
これだと過去問を解いてみて合格点に届かない場合は、出来なかったところを復習してマスターする時間がないために、万事休すということになります。
過去問のは早めに出題傾向をつかんでその中で苦手な事項を集中して復習し、頻出事項の周辺の部分をつぶすというのが効果的な勉強法です。
以前過去問の使い方について解説してありますのでお読みいただければ幸いです。
ここでは精神科医で受験アドバイザーの和田秀樹氏が自身の医師国家試験勉強の経験を踏まえて過去問の大切さを力説しています。
ちなみに伊沢拓司さんも「過去問は宝」と著書『勉強大全』述べています。
過去問の重要性は、試験勉強法について解説した有名な本のほとんどが強調しているのですが、腕試しとしてやるか過去問に出たところだけ覚えるという誤った使い方をしている人が多いように思います。試験によっては全く同じ問題が出る場合もあるので過去問で出た事項を覚えるのは大切ですが、例えば入試問題の国語のようにまったく同じ問題は出ない場合もあるので、注意が必要でしょう。
その3、復習と過去問を組み合わせる
今回は学校の入試に限らず各種資格試験も想定して苦手克服法を解説しています。
だから最終的には苦手を克服して試験に合格する方法の解説となります。
試験に合格するのに満点を取る必要はありません。
例えば自動車の普通免許は90点合格です。かなり高得点ですが間違えてもよいのです。
もちろん満点を取る必要はありません。合格点を1点でも上回れば良いのです。
つまり合格最低点を取るということです。
でも合格点を取るということを意識して勉強している人は案外少ないと思います。
特に勉強が苦手な人は合格点を取るためには試験科目の全てのマスターを目指した勉強が必要だと思い込んでいるかのようです。
なぜ合格最低点を取ることを意識した勉強ができないかと言うと原因は2つあります。
まず一つ目は試験によく出るところが分かっていないこと。
つまり上のその2で書いたように過去問を解いていないということです。
だから受ける試験の頻出事項とあまり出ないところが実感としてわからない。
そのためあまり出ないところでも頻出事項と同じ力の入れ方で勉強したりしてしまう。
またその逆に頻出事項なのにほとんど手を付けないというチグハグなことが起こってしまう訳です。
2つ目は試験の難易度が実感として分かっていないこと。
これは問題を解く基礎力がないので問題のレベル感が分からないのです。基礎力とは自問題を解くには当然知っておかなければならない知識のことです。
例えば国語でいえば、漢字や語彙。英語なら単語や文法などです。
こういった問題のレベルを判断するうえで基準となるような基礎力がないために
試験問題の難易度が自分で判断できないということになります。
これら2つの原因を解決するには上で述べたその1・その2の方法を両方やることです。
あまりにも勉強不足な場合は過去問どころか試験科目自体も解けないので
まずつまづいたいたところまで戻って復習するというその1の方法をやります。
次に基礎力がついて問題の難易度が自分で判断できるようになったら、
試験の過去問を解いて、頻出範囲を集中して学習するというその2の方法をやります。
こうすればより試験に出るところが自分で判断できます。過去問にも出題傾向は掲載されていますが、大まかなので実感として頻出範囲を「肌」で知る必要がある訳です。
実は最初に頻出範囲を絞ってから勉強するという方法も有効なのですが、実力がないと頻出範囲の「周辺」がどこまでなのかが分かりません。実はまったく同じ問題は出ないこともあるので頻出範囲の「周辺」を暗記していくことが肝要です。だから例えば成績優秀な友人とか先生などの「目利き」と一緒に勉強しないとあまり意味を成しません。
そこで今回は独力で勉強する方法に絞って解説しました。
まとめ
最後にもう一度入試や資格試験で苦手科目を克服する3つの方法をまとめてみます。
その1、つまづいたいたところまで戻って復習する。
その2、試験の過去問を解いて、頻出範囲を集中して学習する。
その3、復習と過去問を組み合わせる。
苦手科目克服の方法としてその3の方法が一番すぐれている思いますが、その1やその2の方法を単独で使っても効果はありますのでそれぞれ個別の方法として解説しました。
そして最も大事なのは試験勉強のゴールを合格最低点突破に置くことです。
つまりその1~その3までの方法を上手く組み合わせて、
どうやって合格最低点突破するかを常に考えて学習計画を立てること。
以上が授業が分からなくても最短で苦手科目を克服する3つの方法の解説となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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