(1日中ゲームとスマホ)あなたの子どもが勉強したくない心理
はじめに
「子どもが勉強しないんですけど、先生何とかしてください」
「勉強しないでゲームばかりしてるんですがどうすればいいですか」
塾と学校を問わず親が先生に聞きたい質問ナンバー1ではないでしょうか。実際は先生がどうにか出来るなら既にやっている訳で、極めて返答に困る難しい質問です。
また不登校のカウンセリングでもこの質問は親からよく質問を受けます。
つまり学校に行く、行かないに関わらず「子どもが自分から勉強しない」ということが
問題なのです。
私の経験上、自分から勉強しない子を放置していてもやはり勉強はしないでしょう。
逆に親が口を酸っぱくして注意しても反抗するだけで、勉強はやらないでしょう。
集団塾でよくあるパターンは、最初は親が付ききりで勉強を教えたり、宿題など家庭学習を管理したりと一生懸命取り組みます。
しかしなかなか成績が上がらないので、子どもの我慢が限界に達して、親と揉めはじめます。
すると今度は親も逃げ腰になり「羹(あつもの」に懲りてあえ物を吹く」が如く子どもの勉強から距離を置き、ついには「見守る」という口実で放置してしまうというパターンです。
こういう極端な接し方は親子双方の不信感を招くだけで、全く効果はありません。
我が子と言えど他人ですから簡単には変わりません。それでもわが子に変わってほしいならまず親が変わることです。そこで親が子どもへの接し方をどう変えるかについて以前こんな記事にまとめました。
今回は勉強しない子どもの心理をより詳しく解説していきます。
子どもが勉強したくない心理
ここで取り上げる「勉強」とは学校教育で行われる勉強を指します。
趣味とか資格など広い意味での「勉強」ではありません。しかし広い意味での「勉強」については後ほど少し扱うつもりです。
さて子どもが勉強したくない心理のタイプとしては大きく分けて次の5つが考えられます。
➀親に対する反発
親の意向を子どもに強制した場合、本人はあまり乗り気ではないで勉強しません。
例え本人のためだと言い聞かせても子どもは将来のことには想像力がなかなか働かないので反発します。
つまり「勉強」よりも親の言い方や接し方に不満があるのがこのタイプです。
突き詰めていうと親に不満があるから勉強しないのです。さらにこじれると親に不満を抗議するためにわざと勉強しないようになります。
➁勉強の内容が面白くない
これは単純に学校の「勉強(教科)」が面白くないから。ゲームやと友人と遊ぶことなど勉強より楽しいことはたくさんあります。「因数分解」がゲームより楽しいなんて子どもはなかなかいません。だから自分の時間を割いてわざわざ勉強しないのです。
将来何の役に立つ分からない勉強をやる気がしないのもこのタイプです
➂勉強ができないからやりたくない
勉強が理解できなかったり、やっても成績が上がらないから諦めてしまうタイプです。
大人でもなかなか成果が出ないとやめたくなりますし、実際やめてしまいます。特に小学生はすぐ結果を求めますから難しいものはやりたがりません。
優秀な他人と比較し、劣等感から勉強諦めているのもこのタイプに入ります。
➃勉強する必要性がない
これは通知表がオール3ぐらいの勉強しなくても平均点が取れる子に多いタイプ。
これから勉強が難しくなっても自分はついていけるだろうと楽観的に考えているので、
部活、習い事、趣味など他の活動の方が優先順位が高く、勉強を今やる必要性を感じていません。
集団塾でも1・2年生に多いタイプです。
⑤将来を楽観的に考えている
職業や学歴など社会の仕組みやお金を稼ぐことについての知識がなく、自分の将来について楽観的に考えているのがこのタイプ。困ったら親に頼ればいいと無意識に思っている場合もあります。勉強する必要性がないという意味では➃に似ていますが、➃と違い特にやりたいこともない無気力なところが見られます。
以上のようなタイプの一つが際立って現れているケースもあれば複数のタイプが混ざり合っているケースもあるので、百人子どもがいれば百通りの対応になります。
子どもが勉強したくなる方法
なぜ親は我が子に勉強して欲しいのでしょうか。そしてなぜ「勉強しなさい」と口を酸っぱくして言うのでしょうか。
それは自分が過去にもっと勉強をしておけばよかったという後悔からです。
社会人として高学歴が有利であることや生活していく上で学校で学んだ知識が土台となっていることを痛感しているからです。
つまり社会人して生きていくうえで勉強は必須なのは身に染みて分かっているので、転ばぬ先の杖とばかりに先回りして子どもに勉強させようとするのです。
しかし厳しく言いつけて勉強するなら苦労はいりません。むしろ言えば言うほど親の言うこと聞かないのではありませんか。
しかしそれも仕方のないことです。まだ勉強不足を実感していない子どもは先に述べた➃の勉強する必要性を感じていないのですから。そしてそのことが子どもが勉強したがらない最も重大な理由なのです。
それでは勉強する必要性を感じていない子どもに勉強の必要性を気づかせるにはどうすれば良いのか。
それは勉強する目的を子どもに考えさせることです
ここでは子どもに勉強する目的を考えさせる3つの大切なポイントについて解説します。
➀子どもと本音で話せる関係をつくる
親と子が本音で話せる関係を作りましょう。お互いに言いたいことを言い合うだけ、反対にまともな会話がない状態は勉強以前に親子関係に問題があります。
まずは親が折れて子供の話を良く聞くことを心がけましょう。
どのような人間でも自分の考えや意見を押し付ける人間は好みません。
親子関係では得てしてそのことが忘れがちになっている場合が多いです。
例えば自分の子どもであっても相手の意見は意見として尊重する姿勢がなければ会話は成り立ちません。
これは子どもの言いなりになれということではありません。
危険なことや他人を他人に迷惑になるようなことは子どもにしつけとして教えなければなりません。
ただししつけの範囲はできるだけ狭いほうが望ましいと思います。
子どもの話の聞き方については以前記事にまとめていますので、参考にしていただければ幸いです。
➁将来どうやって生きていくのかを問いかける
親は子どもを一生面倒見ることはできません。子どもがどうやって自力で生きていくのかを折に触れて問いかけましょう。
ここで注意してほしいのは親の希望は後回しにすることです。親の希望を押し付けるのではなくあくまでも子ども自身に将来の希望を考えさせることが重要です。また生き方とは必ずしも職業のことではありません。
例えば世界中を飛び回る生活がしたいとか、文章や絵をかいて暮らしていきたいとか、困っている人助けたいなど漠然とした自分の将来のイメージを子供に持ってもらうのが目的です。
➂将来どうやってお金を稼ぐのか問いかける
以前紹介した納税額日本一の斎藤一人さんが、人生で大切な事として「人間関係」と「お金」の2つだと断言しています。
また「嫌われる勇気」で有名なアドラー心理学の創始者であるアルフレッド・アドラーも「すべての悩みは対人関係」だと断言しました。
そして人生の3つの課題の一つに「仕事の課題」を挙げています。
アドラーの「仕事の課題」とは社会の成員として生きるための仕事をどうやって見つけるかということです。
斎藤一人さんのいう「お金」とは仕事というよりそのものずばり現金の意味で、
理由はお金がない状態は、そのままではどうにもならないので、常にお金を大事にしなさいということを言っています。
つまり無い袖は振れないのだから常にお金は持っていなさいということです。
もちろんお金を稼ぐためには仕事をしなければなりませんが、アドラーの言うように「社会に成員としての仕事をする」というよりは、お金が無ければ「やりたいこと」もできないし「欲しいもの」も買えないという極めて現実的な意味で「お金」と言っています。
私は斎藤一人さんの発言の方が生々しく現実的なので、アドラーの主張より真実を突いているように感じます。
つまり「やりたいこと」をしたり「欲しいもの」を買ったり、生活するためには絶対に「お金」が必要なのであり、それをどうやって稼ぐかを子どもには考えさせる必要があるのです。
例えば「会社員」や「公務員」になりたいならば、学歴は必要なので学校の勉強をしなければなりません。医者や弁護士になりたいなら、学校を出た上に資格試験も合格しなければなりません。
学校の勉強が必要のない仕事は世の中にはたくさんありますが、テレビ番組で東大生がもてはやされているのを見ても「学校の勉強」は結果的に役に立っているように思われます。
このように将来のお金の稼ぎ方を子どもに考えさせると「学校の勉強の必要性」が意識されます。
これが子どもが勉強する強い動機になるのです。
もっと勉強したくなるマインドと行動
➀広く勉強を捉える
そもそも「勉強」とは「学校の勉強」だけを指すのではありません。
学歴があまり関係のない職業に就いても、その仕事に必要な知識やスキルは身につけなければなりません。そういった知識やスキルを身に着けることも「勉強」のうちです。
例えば美容師。美容師の試験に合格してからも新しいヘアスタイルや技術の向上に「勉強」を続けています。医者や弁護士も資格を得るまでも勉強しますが、仕事に就いてからはもっと「勉強」します。
だから親は勉強の意味を広くとらえて、「学校の勉強」に直接関係のないことに子供が興味を持ってもそれを受け入れてほしいと思います。そうすることで勉強したいという欲求の根っこにある知的好奇心を育れば、「学校の勉強」にも興味を持てる部分を見つけることができるようになります。
➁お金の勉強をする
学生のうちは親がかりなのでお金の心配はあまりないでしょう。
ですが小は個人から大は国家までお金の悩みは世の中に溢れ尽きることがありません。こんなに大切なのに不思議なことです。
しかし
お金のことは学校では教えてくれません。
学校で教えてくれないなら自分で勉強するしかありません。将来必ず必要になるお金の知識を子どものころから学んでおくことは大切な事だと思います。
元を正せば親が子どもの将来で心配なのは、自分で生活していける経済力をつけて欲しいということです。
そのために勉強して学歴をつけて給料の高い職業について欲しいというのが親の願いです。しかし世の中は変わってゆきます。
現在の著名なお金持ちはビル・ゲイツ氏や孫正義氏を持ち出すまでもなく若いころから自分で起業した人たちです。
また例え給料の高い会社に入っても終身雇用が崩れた現在、定年まで勤められるか分かりません。
途中で転職するかもしれないし、病気にかかるかもしれない。
人生何があるか分からないからこそお金の勉強をしておけばピンチのときも余裕を失わずにいられるのではないでしょうか。
お金について書かれた本はたくさん出版されていますので、名著と呼ばれるものを読んでいくのも良いでしょう、
ここで私がお勧めするのはネットビジネスを小さく始めてみることです。ネットビジネスの利点は手軽に始められて、それほどコストがかからないからです。
ネットビジネスを小さいながらも運営することで実践を通じてお金の勉強をすることができます。
出来れば中学生以上で親子で相談しあいながら進めていくのが望ましいと思います。
ビジネスを通じて親子のコミュニケーションも円滑になり子供の本音が聞き出せる効果も期待できます。
親子で始めるネットビジネスについて、不登校メンタルサポート研究所のメルマガ登録特典で解説しています。
このマニュアルは元々子どものSNS依存対策についてまとめたものですが、その中でSNSの有効利用例としてネットビジネスを取り上げています。
無料ですので是非読んでいただきたいと思います。
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まとめ
子どもの勉強したくない心理として5つ取り上げました。
➀親に対する反発
➁勉強の内容が面白くない
➂勉強ができないからやりたくない
➃勉強する必要性がない
⑤将来を楽観的に考えている。
そして勉強したくなる方法として、勉強したくない心理➃の「勉強する必要性がないこと」に注目し、その解決法の勉強する目的を子どもに考えさせることと大切なポイントとして
➀子供と本音で話せる関係を作る
➁将来どうやって生きていくのかを問いかけること
➂将来どうやってお金を稼ぐのかを問いかけること
これら3つについて解説しました。
最後に勉強したくなる方法の発展版として子供がもっと勉強したくなるマインドと行動
として2つ解説しました。
➀広く勉強を捉える
➁お金の勉強をする
これら2つのポイントは学校の勉強とは直接関係ありませんが、子どもの将来設計には深く関係しています。
親がこれら2つのポイントを早くから子供に意識づけさせることに成功すれば、子どもは自分の将来について深く考えるようになり、結果的に「学校の勉強」を自らするようになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
※このブログは質問や感想をコメントから募集しています。少しでもお気づきの点があればコメントしていただけると嬉しいです。